SUVは国内のみならず世界中で人気であり、その勢いは全く衰えません。国内カーメーカーも新型SUVを続々と発表しており、需要の高さがうかがえます。
「SUVは大型でオフロードに強い」というイメージを持つ方も多いと思いますが、最近ではコンパクトなボディサイズも発売されています。また、街乗りメインの都会派SUVなど、選択肢は多種多様です。
今回の記事は国産SUV販売台数ランキングと併せて、コンパクトSUVから都会派SUV、もちろんオフロードに強いクロスカントリーまで、幅広いタイプからおすすめランキングをご紹介します!
そもそもSUVってどんなクルマ?
SUVとは、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(Sport Utility Vehicle)の略語であり、スポーツ用多目的車とも呼ばれる車です。
機能の特徴としては、最低地上高が高く、悪路の踏破性能が高められている車や、荷室が比較的大きくてレジャー用品が積み込みやすくなっている車が多いです。
歴史は古くから存在し、日本においては、トヨタ・ハイラックスサーフやテラノなどから始まり、ランドクルーザーや三菱パジェロなどへ発展してきました。
一時期サイズが大きく運転しづらい、燃費やその他維持費がかかるなどの理由でクロスカントリーSUVが敬遠された時期がありましたが、トヨタ・RAV4の大ヒット以降、燃費が普通乗用車と遜色のない車種が登場し、現在の人気ジャンルへと成長してきました。
SUVにはどんなタイプがある?
SUVはボディサイズや街乗りメイン、オフロードメインなどの目的に合わせて様々なタイプが存在します。主なタイプは下記の5つです。
なお、「1.クロスカントリーSUV」「2.クロスオーバーSUV」は車両構造の違い、「3.クロスオーバーSUV」「4.コンパクトSUV」「5.軽SUV」は車格の違いで分類しています。
2.クロスオーバーSUV
3.ミドルサイズSUV
4.コンパクトSUV
5.軽SUV
1.クロスカントリーSUV
クロスカントリーSUVは荒れた道でも難なく走る、オフロードに特化したSUVです。クルマの骨格にはラダーフレームが採用されており、タフなつくりになっています。一方で、オンロードでの乗り心地や高速走行時の直進安定性は劣る場合があります。また車両重量が重くなるため、燃費も悪い傾向です。1990年代前半までは、このクロスカントリーSUVが主流でした。昔はゴツゴツしたデザインが多かったですが、近年はスタイリッシュなデザインが増えてきています。
・トヨタ ランドクルーザー
・ジープ ラングラー
・スズキ ジムニー
オフロードに特化しており、悪路をガンガン走行したい人向け!
2.クロスオーバーSUV
クロスオーバーSUVは都会に馴染むスタイリッシュなデザインでありながら、車高が高くてダイナミックな印象を与えるSUVです。フレーム構造ではなくシャシーとボディが一体化しているモノコックのため、軽量で車内を広くすることが可能です。またオンロードを重視して作られるため、乗り心地も優れています。今現在ヒットしているSUVのほとんどはこのタイプですね。
・トヨタ ハリアー
・スバル フォレスター
・マツダ CX-8
・三菱 アウトランダー
街乗りメインのSUV!現在ヒットしているのはこのタイプ!
3.ミドルサイズSUV
ミドルサイズSUVは全長4.4m~4.6mほどで、世界的にも人気のサイズです。日本の街中でも運転しやすいサイズ感で、SUVらしい優雅なボディサイズと実用性のバランスが取れたサイズでもあります。
・トヨタ RAV4
・マツダ CX-5
・ホンダ CR-V
・スバル フォレスター
・日産 エクストレイル
SUVらしい優雅なボディサイズと実用性のバランスが取れたサイズ!
4.コンパクトSUV
コンパクトSUVは全長は4.4メートル未満と小柄でありながら、大人4~5人が乗れる車内空間を確保しているSUVです。このSUVはスポーティでスタイリッシュなデザインが多いです。またコンパクトなボディサイズのため、運転に不慣れな人でも安心してドライブできるのが特徴です。車両価格も比較的安く、燃費も良いことから、女性からも人気の高いカテゴリーです。
・日産 キックス
・スバル XV
・トヨタ ヤリスクロス
・マツダ CX-30
コンパクトボディで運転しやすいSUV!
5.軽SUV
軽SUVは名前の通り、軽自動車枠でSUVのテイストを盛り込んだクルマです。その中でも、スズキ ジムニーは、誰しもが聞いたことのある有名な軽SUVでしょう。1970年からラダーフレーム&4WDの構造を取り入れたクロスカントリーSUVでもあり、世界中で大人気です。軽自動車のコンパクトさ、維持費の安さ、燃費の良さ、運転のしやすさなどの恩恵を受けながら、SUVとしてもドライブを楽しみたい、そんな人におすすめです。
・スズキ ジムニー
・三菱 eKクロス
・スズキ ハスラー
軽自動車枠のSUV!コストを抑えられ、女性にも人気!
目的に合わせたSUVの選び方とは?
ご紹介した通り、SUVにも様々なタイプが存在します。そこで、SUVを購入する際の選び方の基準・ポイントについて紹介します。
1.やっぱりデザイン重視!カッコよさで選ぶ
2.何人乗るかで選ぶ
3.運転のしやすさで選ぶ
4.人気車種から選ぶ
1.やっぱりデザイン重視!カッコよさで選ぶ
外装、内装はクルマに乗るたびに目につきますから、こだわりを持ちたいですよね。近年はデザイン性に優れた、スタイリッシュなSUVが多いです。また世界的にもSUVは需要が高いため、今後も魅力的なデザインのクルマは続々と発売されるでしょう。機能やボディサイズにこだわりがなければ、好みのデザインでクルマを選んでみましょう。
2.何人乗るかで選ぶ
SUVは大型というイメージが強いですが、ご紹介した通り、軽自動車でもSUVはあります。なので、乗る人数が多い場合はそれなりに大型のSUVを検討する必要があります。乗車人数に対するおすすめのSUVサイズは以下の通りです。
3~4人乗車が多い方:ミドルサイズSUV
5人以上の乗車が多い方:3列シートSUV
3.運転のしやすさで選ぶ
大型のSUVはそれなりの運転技術が必要で、特に狭い道や駐車場では苦労します。そこで、運転にあまり自信のない方や、普段使う道や駐車場が狭い場合は、コンパクトSUVを選ぶというのも1つの選択肢です。
逆に、普段使用する環境は道が広く、駐車場も問題ない!という方はミドルサイズSUVがおすすめです。ボディサイズが大きい方が走行時の安定感が増しますし、SUVらしい優雅でかっこいいデザインはミドルサイズSUVに多いです。
4.人気車種から選ぶ
特別こだわりがない場合は、人気車種から選ぶのも1つの選択肢です。人気車種ということは、それなりに魅力が詰まっているわけですし、買ってからの後悔は少ないと思います。また使用者が多いので、ネット上から多くのレビューやメリット・デメリットの情報を入手できるでしょう。
この記事では、実際の販売台数ランキングを掲載しているので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
国内のSUV販売台数ランキング
2022年度1月~6月の販売台数上位50位からSUVだけをピックアップしました(普通車のみ)。上位50車種のうち、20車種がSUVという結果です。普通車の中でもSUVの人気ぶりが分かる表ですね。
順位 | 車名 | メーカー | 台数 |
1 | ヤリス(ヤリスクロス) | トヨタ | 81,580 |
2 | カローラ(カローラクロス) | トヨタ | 70,988 |
3 | ライズ | トヨタ | 45,380 |
4 | ヴェゼル | ホンダ | 23,855 |
5 | ハリアー | トヨタ | 22,250 |
6 | ランドクルーザーW | トヨタ | 16,890 |
7 | CX-5 | マツダ | 15,482 |
8 | RAV4 | トヨタ | 15,227 |
9 | フォレスター | スバル | 12,643 |
10 | キックス | 日産 | 12,250 |
11 | ロッキー | ダイハツ | 10,808 |
12 | ジムニーワゴン | スズキ | 8,661 |
13 | アウトランダー | 三菱 | 8,595 |
14 | CX-30 | マツダ | 8,167 |
15 | CX-8 | マツダ | 7,206 |
16 | C-HR | トヨタ | 7,043 |
17 | クロスビー | スズキ | 6,089 |
18 | エクストレイル | 日産 | 4,951 |
19 | エクリプスクロス | 三菱 | 4,702 |
20 | CX-3 | マツダ | 4,627 |
また、上位はほぼトヨタが独占しています。トヨタブランドはやはり強いですね。ただし、必ずしも「販売台数TOP=優れているクルマ」というわけではありません。人によって優れている、優れていないの判断基準は異なりますし、何より自分が魅力を感じたクルマを選ぶと、購入後の後悔も少ないです。
筆者おすすめの国産SUVランキング
上記の販売台数ランキングと併せて、私が独断と偏見で「これはおすすめできる!」というSUVを厳選し、ランキングにしました。
ミドルサイズSUV、コンパクトSUVの2タイプでランキング分けしました。「どの車種にしよう」と悩んでいる方の参考になれば幸いです。
ミドルサイズSUVおすすめランキング
1位:ハリアー
トヨタ ハリアーはデザイン性の高い内外装に加え、快適な乗降性や乗り心地も高級セダンに匹敵する質感で、乗る人の心を優雅な気分で満たしてくれます。
現行モデルは4代目で、よりシャープで流麗なクーペフォルムをまとうようになります。内装のデザインと快適装備、走行性能や安全性能もさらに進化しました。
安定のトヨタブランドで、高級感漂う都会的なデザインのSUVに乗りたいという人におすすめのクルマです。
2位:CX-5
マツダ「CX-5」は、「走る歓びのさらなる深化」を掲げており、洗練された“大人のSUV”としての姿を表しています。スカイアクティブ技術及び先進的デザインを全面的に採用しています。
またコスパの高さも魅力的です。約300万円~購入可能で、内装の質感の高さは高い評価を受けています。そして、エンジンはガソリンとディーゼルから選択可能です。ディーゼルならではの加速感をぜひ感じてください。燃料は軽油なのでお財布にも優しいのが嬉しいところ。
コスパのいいSUVに乗りたいという方にピッタリのクルマです。
3位:ランドクルーザー
製造開始から65年以上経った今も、愛されているクロスカントリー車がトヨタが誇るランドクルーザーです。
ランドクルーザーは存在感のあるボディサイズと高い地上高が大型SUVらしさを主張しているのに対し、内装は高級感に溢れています。悪路走行においても安定した走行ができるところから、世界中で常に注目されています。
悪路をガンガン攻められるSUVを求めている方にピッタリのクルマです。
4位:RAV4
RAV4は1994年から続くトヨタのSUVです。自動ブレーキなどの予防安全装備などもしっかり標準装備となっていて現代のSUVとして十分な安全性能を持っています。
外装デザインは、SUVながら武骨で高い走破性を表現するデザインになっています。
都会的なシャープなデザインよりも、SUVらしい武骨なデザインを求める方におすすめのクルマです。
5位:フォレスター
スバルのフォレスターは英語の「forest」を由来としており、「森に住む人」「森を育む人」「森に住む動物」などの意味があります。環境に優しい、自然を愛する人々へライフスタイルを提案する新しい世代のSUVとして登場しました。
また、水平対向エンジンを搭載していることから、オンロードだけでなくオフロードでも状況を選ばないオールマイティな走行が可能です。
さらにスバルは安全装備が充実しており、「自動車アセスメント優秀車08/09」を受賞しています。
水平対向エンジンの走行性能と、安全装備が充実さを求める方にピッタリのクルマです。
コンパクトSUVおすすめランキング
1位:ヤリスクロス
ヤリスクロス最大の特徴は、軽さです。ライバル車のキックスXは1350kg、ヴェゼルハイブリッド2WD・Zホンダセンシングは1320kgなので、ヤリスクロスは150kg以上軽いです。この軽さは、軽快なハンドリング性能や加速性能に直結します。
当然、この軽さは燃費も良好にします。ヤリスクロスハイブリッド2WD・Gは、WLTCモード燃費が30.2km/Lに達します。キックスは21.6km/L、ヴェゼルハイブリッドは19.6km/Lなので、いかにヤリスクロスの燃費が優れているかが一目瞭然です。
軽快な走行性能、優れた燃費のSUVを求める人にピッタリのクルマです。
2位:ライズ
ライズは、力強いフロントグリルなど、SUVらしい迫力のあるデザインが特徴です。また、小回りの利くコンパクトSUVとしても人気です。
さらに燃費性能も良好で、ハイブリッド車2WDで「WLTCモード28.0km/L」、ガソリン車2WDの場合だと「WLTCモード20.7km/L」、4WD車では「WLTCモード17.4km/L」という低燃費性能を実現しています。
また、ブレーキペダルを踏まずに速度を幅広く調節できる「S-Pedal」は、気持ちの良い走りと低燃費の両立に貢献しています。
SUVらしい力強いデザインと、小回りの利くコンパクトSUVを求める人におすすめのクルマです。
3位:ヴェゼル
コンパクトSUVとしては、全長4,330mm全幅1,770mmとやや大柄のボディサイズですが、その分室内空間は広いです。
低床設定をしているため、後席の頭上スペースはゆとりがあり、足元も広いです。さらに燃料タンクを前席下に搭載したことにより、荷室の床下を低く抑えています。そのためボディは小さくても、積載容量は大きく確保してます。荷室が十分広いため、見た目以上に荷物を積み込むことが可能です。
さらにHonda SENSING(ホンダセンシング)機能により、優れた安全装備も充実しています。
小回りが利くコンパクトSUVで、室内空間と積載量も重視したいという方におすすめのクルマです。
4位:キックス
キックスは、アクティブで堂々とした輝きを放つ外観です。フロントに設けられたダブルVモーショングリルは存在感抜群です。インテリアは肌触りがよく、スポーティなダブルステッチ付きシートを用意。インパネやドアトリムクロスは、高品質な素材を使用し、洗練されたデザイン性と高級感を生み出しています。
また、ゆとりのある室内空間も魅力的です。シートにはマットスプリングタイプ、ゼロ・グラビティシートを採用しているため座り心地も抜群です。
積載容量もばっちりで、9インチゴルフバックも3つ入りますし、後部座席を倒してシートアレンジをすれば長いものでも簡単に入ります。
そしてパワートレインは、日産の先進技術、e-POWERが採用されています。ガソリンで発電して電気で走るというもので、電気自動車のようなレスポンスや加速性が魅力です。
ゆとりのある室内空間と、日産の先進技術e-powerを感じたい人におすすめのクルマです。
5位:ロッキー
ダイハツロッキーは、トヨタライズと姉妹車であり、基本的な性能や形などはほとんど同じです。
しかし、ライズはトヨタらしくより都会的にスポーティーさを兼ね備えています。対してロッキーは、よりSUVらしさを持つ車です。
ライズよりも、よりSUVらしさを求める人におすすめのクルマです。
まとめ
この記事では、コンパクトSUVから都会派SUV、もちろんオフロードに強いクロスカントリーまで、幅広いタイプからおすすめランキングをご紹介しました。
SUVにも様々な種類があり、選択の幅は広いです。ぜひ、ご自身にあったSUVを見つけてください。
そして気になったら、ぜひディーラーへ訪れてみてください。試乗して初めてわかる魅力もありますし、実際に目で見ると違った魅力に気づくことも多いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。